アマチュア無線でRC FPVを楽しむ 
             
JA7CME
   アマチュア無線でFPV ドローンレースに参加しよう                                                       

本ページは海外インタネット通販で購入した安価な5.8GHz帯無線機を使って、
FPV RC飛行機を楽しむためのガイダンスです。筆者の経験と知りうる知識で
紹介していますが、個人の判断と責任において実行してくださるよう御願い申し上げます。

                                     
 2023 年5月1日改定
戸澤洋二技術士事務所 代表    戸澤洋二 技術士(電気電子)
         
ytozawa1037@gmail.com    090-8648-6147 
         湘南事務所 〒253-0042 神奈川県茅ケ崎市本村1-4-9-301
              福島事務所 〒960-8251 福島県福島市北沢又道南1-22
   
                    
                      
一般社団法人日本ドローン無線協会 会長  JDRI  http://jdri.or.jp
      
   (一社)ジャパンドローンコンソーシアム(JDC)  理事  技能検定指導教官
            (一社)日本UAS産業振興協議会(JUIDA)    主任講師

              (一社) 日本ドローン建築協会         理事
              日本無線株式会社                社友  
              (有) BODUK                技術顧問            
               第一級陸上特殊無線技士 
              第一級アマチュア無線技士

               
   Face book

--目次--
1.Drone Raceの楽しみ
2.5.6GHz帯のFPV
3.ナローバンドの5.8GHz帯 FPV
4.FPV用 VTXを申請する
5.改正航空法について 
6.FPVを運用する
7.なぜ5.8GHzなのか
8.VTXの送信出力について
9.アナログATVの方式
10.アマチュア無線でATV局免許を取得する
11.FPV を楽しむ
12.5.7GHz帯でATVは何CH取れるか
13.申請支援と解析済VTX の系統図
14.電波形式と周波数CH


アマチュア無線のFPVを始めてから6年が経ちました。この数年で3000局のFPVアマチュア無線が登録されましたが、そろそろ5年免許の更新時期が来ており、当方にユーザーさんから問い合わせも来ています。有効期間5年の1年前になると所轄の総合通信局から葉書が来ます。 更新手続きをしてください。更新は「再免許申請」で簡単です。電子申請もできます。申請の書式はここにあります。 3050円の印紙を貼り、返信封筒を付けて総合通信局に送ってください。

                         

 禁無断転載:   本HPのデータおよび照会内容については個人の無線局申請や国交省航空局への申請に使っていただいて構いませんが、個人のホーページやブログ等に無断で転載することを禁じます。

最近ホビーショップ等で当HPから無断で資料を流用し、改ざんしたものを配布しているケースが出ています。正しければいいのですが、明らかにでたらめの系統図もあり、TSSも苦慮しています。正しい資料であることを確認してから申請等に利用されることをお願いします。 2016年8月31日追記

アマチュア無線とは、金銭上の利益のためでなく、専ら個人的な興味により行う自己訓練、通信及び技術研究のための無線通信です。

そのため、アマチュア無線を使用したドローンを業務に利用することはできません。

5GHz帯のアマチュア無線局は、周波数割当計画上、二次業務に割り当てられています。そのため、同一帯域を使用する他の一次業務の無線局の運用に妨害を与えないように運用しなければなりません。

特に、5.8GHz帯は、DSRCシステムに割り当てられており、主として高速道路のETCシステムや駐車場管理等に用いられていますので、それら付近での使用は避ける等、運用の際には配慮が必要です。

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                  FPVアマチュア無線クラブ(5.6GHzアマチュア無線でFPVを楽しむ会)
                総務省の電波監理(違法電波は摘発されます)

                 改正航空法 2015/12/10施行(FPVを楽しむには国交省への申請が必要です





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Drone Race の楽しみ方

近年欧米ではDroneRaceという遊びが大流行しています。機長が300mm足らずの小型のドローンにカメラを
積んで、5.8GHzのISMバンドの無線機で機体の前方映像をパイロットに伝送し、パイロットはヘッドマウント
ディスプレイ(ゴーグルモニタ)やLCDモニタで前方を見ながら操縦して、決められた障害物のある周回コース
でRacerを複数機飛ばしてタイムを競うものです。まるでスターウオーズの世界がそこにあります。






2015年11月7日に千葉県香取市で開催されたDrone Impact Challenge
実行委員会開催のDIC Drone Race2015の様子がNHK他各TV局から放映されました。


 
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5.6GHz帯のFPV

現状
 現在の
FPV DroneRacerでは市販のVTX/ VRXを使用しています。 これらは電波型式F8Wであり、ステレオ音声を重畳している関係から、占有周波数帯域幅が約15MHz以上あり、現状では35MHzから40MHz離さないと隣接CHが干渉するため、同時飛行させる日本のハムバンドを使ったDrone Raceでは、5705MHz-5740MHz5745)-5800MHz 
3波同時運用が使われていることは皆さんご存知の通りです

Narrow BandVTX
 FPVアマチュア無線クラブで開発したNarrow Band のVTX は電波型式F3Fであり、占有周波数帯域幅が9MHz以下であり、20MHz離調でも同 時運用が可能になります。この場合は、現在の5.6GHzハムバンドプランから下記のような周波数構成による同時運用が可能になる。     5705-5740-5780-5800MHz ・・・・既存の32CH VTX にF3F CH同時運用
5695-5715-5740-5780-5805MHz・・・NarrowBand 新CHによる5CH同時運用

NarrowBand F3F仕様の VTX HobbyNet http://www.hobbynet-jp.com/japan/index.htmlより発売中です。
F3Fのみならず、更に映像入力のNTSC/PAL信号の帯域制限を簡易にかけるために、映像信号に抵抗を挿入して、帯域を狭くします。更に隣接CHへの影響が少なくなります。
このVTXの周波数CH構成は下記のようです。

5695-5705-5715-5740-5780-5800-5805 MHz    日本のアマチュア無線の5.6GHzバンドプランに合致しています。

業務用の5.6GHzVTX

 今夏改正電波法により5.6GHz帯が業務用にも開放されることは以前に紹介しましたが、20MHz離調のシステムでは下記の周波数が使用できるようになると思われます。
5660-5680-5700-(5705)-5720-5740-(5745) MHz  現在のF8W VTXでは上記の周波数では
5660-5700(5705)-5740(5745) MHz3波同時運用になります

5660は業務用独自の周波数でハムバンドにありませんが、残りの2波はハムバンドと同じなので、DroneRaceをやるときには、業務用無線局免許(陸特免許)保有の人とアマチュア無線局免許保有の人が混在で参加できることが出来ます
5660(業務)- 5705(業務、ハム)-5740(業務、ハム)-5780(ハム)-5800(ハム

ハムバンドと業務用のNarrowBand VTX 使用の場合

F3FNarrowBandVTXを使って、業務用とアマチュア無線を混在して組み合わせると下記のような周波数プランで同時運用が可能と考えられます
5660(業務)-5680(業務)or 5695(業務、ハム)-5705(業務、ハム) or 5715(業務、ハム)-5740(業務、ハム)- 5780(ハム)- 5780(ハム)- 5800(5805)(ハム)

デジタルVTXによる運用

 期待されているAMIMON社の「ProSightDigital VTXは占有周波数帯域幅が15MHz程度であり、20MHzプランでの運用になると思われます。
 まだリリースされていないのですが、日本の特殊性に合わせて国内販売をしていただくようにAMIMON社と協議しています。

①アマチュアバンド・・・5CH  5695,5715,5740,5780,5800 の5CH 
②産業用バンド・・・5CH  5660,5680,5700,5720,5745 の5CH

このデジタルが出回ってきても、従来のアナログバンドと同じ帯域であり、アナログデジタル同士の混信はないので、アナログデジタルの混在運用が楽しめることになると考えられます。

受信機VRXNarrow

 VTX F3FにしてNarrow化すると同時に、受信側もNarrow化することが重要です。現在販売されているVRXの帯域制限をするIF (中間周波数) には20MHz 帯域のバンドパスフィルタが使われているため、隣接CHとの信号分離が完全ではありません。 FPVアマチュア無線クラブでは実験を繰り返した結果、この20MHzBPF8MHzの狭帯域にすることにより、より隣接CHとの分離が出来ることを確認し、手始めにFatShark ゴーグルに使用されているモジュール受信機のNarrowBandModel( 8MHz)を製品化し、HobbyNetから発売中です。    http://www.hobbynet-jp.com/japan/index.html

まとめると・・・

①既存のアナログのF8Wでは40MHz離調なので3CH同時運用
NarrowBand F3Fにより4-5CH 同時運用
③改正電波法で業務用でもハムバンドの下の周波数が使えることになり、ドローンレースでは業務用免許とアマチュア免許局が混在可能となる・・5CH同時運用
④デジタルVTXの出現により、アナログVTXと同じバンドでの運用となり、ドローンレースはアナログデジタル混在が可能となる。
VTX Narrow化だけではなく、VRX( 受信機)もNarrow化することにより混信に強くなる。

  2016年6月22日 筆者追記
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 ナローバンドの5.8GHz帯FPV

  技術レポート 「5.6GHzATV無線機のナローバンド化検討」

現在日本で5.6GHz帯のアマチュア無線を使用してFPVドローンレースを楽しむためには電波法の用途別バンドプランの規制と無線機器の特性の関係から、3波(5705・5740・5800MHz)の使用による3機同時出走しか出来ていない現実があります。
海外でのドローンレースでもRaceBandと称して、5.6GHz帯のハムバンド(5650-5900MHz)を使っていますが、日本のようにバンド内の用途別規制が無いため、37MHz離調による8バンドが有効です。

筆者はFPV アマチュア無線クラブ代表の酒井淳一郎氏とともに、海外同様日本でも3機以上の同時出走を実現すべく、バンドプランの見直しお願いを総務省電波基盤局およびJARL日本アマチュア無線連盟に再三行ってきましたが、ハードルは高く、一朝一夕には実現しないことを実感しました。
しからば、現在流通している無線機を現用バンドプランに合致させるべく改良するしか術はないと判断し、無線機の性能見直しと、改造改良による性能変更を実施、今般良好な結論に至りましたので、成果をこのレポートにより報告します。

本検討結果により、5.6GHz帯のアマチュア無線バンドプランに合致しながら現在の3波(3機)同時運用から5波(5機)同時運用が可能になり、日本のドローンレースにおいて5機同時出走が可能になります。

Japan Ham Band Race仕様のF3F改造VTX/VRX

 

1

2

3

4

5

6

7

8

Band1

5705

5740

5780

5805

 

 

 

 

Band2

5695

5715

5740

5780

5805

 

 

 

Band3

5695

5715

5740

5775

5790

5805

 


 2016年4月23日  筆者追記


2016年6月にはHD映像を遅延なしで伝送するデジタルvideo無線機が市場に出てきます。
日本のFPVの楽しみ方は上記のF3FNarrowBand無線機とデジタル無線機により大きく変化してくると思われます。
「日本で行うFPV Drone Raceに使用する無線周波数」にまとめました。

 2016年4月29日 筆者追記
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日本でも最近大流行の兆しがありますが、いかんせん5.8GHzバンドは日本の電波法の基では安易に使うことが出来ません。
しかしながら、大半のユーザーが違法を承知で楽しんでいるという実態があることは困ったものです。

DroneRaceは業務用でも産業用でもなく、全くのHobbyの世界でありますから、Hobbyで無線を使うとなったらアマチュア無線です。
本家の米国でもアマチュア無線バンドでRegal Drone Raceをやる傾向にきています。
米国と日本では5.6-5.8GHz帯の周波数関係が少し違っていますが、米国は8CH、日本では7CHがRegal Frequenciesです。
詳細は本HP後半記載してありますので、ご覧ください。

今年は日本のDroneRace元年とも言うべき年であり、各地で欧米並みのスリリングな合法FPV Drone Raceが
開催されてきています。参加するにはアマチュア無線の資格と総務省により許可された無線機(VTX)が必要です。

日本の5.6GHz帯アマチュア無線バンドのFPV運用は運用規則上問題ではないか?という声も未だに聞きますが、
FPV というカテゴリーが昔の法律に明文化されていないのは当然であります。 いまや本来のアマチュア無線の
「通信」という目的は使命を終えようとしている中で、新たなラジコン模型で楽しむFPVというカテゴリーは低迷する
アマチュア無線や理科学離れしている日本の子供たちに新たな世界を切り開こうとしているともいえます。

筆者が2013年11月に5.6GHzアマチュア無線バンドで初めてFPVの無線局の許可を総務省に打診したときには
理解を得るために大変苦労をしました。半年の時間をかけてJI1BZNという5.6GHzATV FPV無線局の許可が
降りたときは半世紀以上前にはじめてハムのコールサインが発行されたときの感激を思い出しました。

2015年8月現在、すでに1,000名近くの方が5.6GHz帯のFPVアマチュア無線局を開局しており、更に急増中です。
日本全国の総務省各地方総合通信局からFPV で使用されることを認識した上でこれだけの人に無線局免許状が
発行されている実績と実態はもはやFPV のATVが法的解釈でどうかという話ではありません。
違法局の撲滅とスリリングなDroneRaceを楽しむためには5.6GHz帯のATV(アマチュア無線TV)しか選択肢が
ないのであります。

アマチュア無線の資格取得と無線局の開局は決して難しいことではありません。
本HP 参考にして、違法でFPVを楽しんでいる諸氏は一日も早くアマチュア無線を開局して合法により楽しんで
いただきたたいと願ってやみません。

2015年8月19日 筆者追記
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FPV用 VTXを申請する

アマチュア無線局の開局申請では工事検査が省かれ書類審査のみですが、それゆえ提出書類で無線機が法的
に合致するかを網羅する必要があります。 国内のメーカーの装置であって、技適も取れているような機材では
全く問題ありませんが、本ページでは海外ネットで購入できる安価な機材での無線局免許取得ですから、書類を
揃えるのは容易ではありません。
しかしながら、一度実績ができて、必要書類ができていれば、申請から認可まではスムーズです。


申請に必要なデータとしては、
① 工事設計書
② 送信機の終段デバイスが明示されたブロックダイアグラム
③ 改造方法の明示(ブロックダイアグラム中に記入

実績のない送信機の型名のみや、表向きのカタログ等を提出しても許可にはなりません。特にWebで公開されて
いないような特殊な送信機の最終段のデバイスの場合は、デバイスの型名、印加電圧、性能を示すデータシートの
提出が必要になります

多くの実績ができた送信機の申請に関しては、デバイスのデータシート提出は不要です。


5.6GHz帯のアマチュア無線局申請はこのHPを参考にすれば可能ですが、戸澤洋二技術士事務所では
申請書類作成支援を行っています。
メールでお申し込みください。
ytozawa1037@gmail.com

●月刊誌 ラジコン技術2015年2月号から6月号まで 「アマチュア無線でFPV を楽しむ]を連載しました。
「ドローン&マルチコプター完全ガイド」コスミック出版に [5.6GHz帯FPV 機器で鳥の視点を楽しむ」を掲載しました。
「HAM world 創刊号」電波社 に「災害現場で活躍が期待される5.6GHz帯利用のドローン」を掲載しました。



● 日本の5.6GHz帯アマチュア無線バンド専用のATV送信機が開発され発売になりました。

   1)TS5823J 小型軽量 200mW ATV 7CH仕様・・・ATV の5.6GHz帯7CHのみが運用できる

   2)TS586J 小型軽量 600mW ATV 7CH仕様・・・ATVの5.6GHz帯7CHのみが運用できる

 改造等の作業も必要もなく、現場でATV のCHを任意に選択できます。TSSの実績あり。
系統図および解説書が付属しています。



1.はじめに

5.8GHz帯のISMバンドを使用して海外では近年盛んに楽しまれている技術ですが、日本国内では電波法上の規制があり、映像を伝送する無線機は安易には使えないのです。 5.8GHz帯のビデオ送信機はインタネット通販等で簡単に入手可能ですが、無資格無申請で使用すると電波法に抵触し、摘発された場合には1年以下の懲役、100万円以下の罰金が科せられます。2015年にはこの5.8GHz無線機を違法に使用して摘発された方も出ていますので、ご注意ください。
2.映像を無線で伝送する

映像を無線で伝送するには従来のアナログTVのようなアナログ伝送と地デジTVや無線LANのようなデジタル方式があります。カメラのアナログ映像をデジタル変換して画像圧縮を加え伝送するのが今流行の技術ですが、カラー映像を無線伝送するにはそれなりの帯域幅(無線周波数を占有する幅)が必要なので、使われる周波数はおのずとマイクロ波帯のような高い周波数が使用されます。マイクロ波は空間での減衰が激しいので、遠方まで飛ばすためにはそれなりの電力やアンテナの工夫が必要になってきます。2.4GHzのWi-Fiバンドを使っての技適の無線機は誰でも無資格で使えてよいのですが、出力が小さいので、数百mを伝送させるのは困難のうえ、RCの2.4GHzに妨害を与えますから、難点があります。最新のWi-Fi技術のIEEE802-11nを使ったFPV 用のダウンリンクも最近市場に出てきましたが、相当環境の良い場所(海上のような見通し、他のWi-Fiが使われていない場所)でないと性能が発揮できません。

3.RC飛行機でFPV をするためには・・・

      業務用に許可になっている1281.5MHzの無線機を使用・・・・三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要な上、無線局の開設が必要、無線機は非常に高価
      技適証明のある無線機使用・・・・あまり距離がでない上、高価
      アマチュア無線を使用・・・アマチュア無線技士の資格が必要なうえ、無線局の開設が必要、市販されているアマチュア無線機でFPV の仕様に合致する無線機はない。

4.アマチュア無線でRC のFPVを楽しみたい

さて、RC でFPV を楽しむためには無線機が必要であり、①③の場合には、資格と無線局免許が必要になってきます。所詮趣味の世界であるから、大変な苦労による国家試験は御免こうむりたいし、また高額な投資も勘弁願いたいのです。そう考えたとき、海外で使われているRC のFPV用に開発されて安価で手に入る無線機を簡単な試験等で得られるアマチュア無線資格にて運用できないか・・・という発想は誰にでも出てくるのです。しかしながら、ネット販売 で入手できる中国製の安価な無線機を使ってアマチュア無線局を開設した、という例は2014年以前にはありませんでした。どうして?と言う疑問は本項を読み進めば段々に理解できます。多摩電動飛行機研究会は、中華製の安価な無線機を使って、カラー映像伝送のアマチュアテレビ(ATV)のアマチュア無線局を総務省へ申請し、無線局免許状と無線機に貼る無線局免許証票が発行されました(2014年4月)。  QUAD UFOコプタによるFPV 実験

5.アマチュア無線の周波数バンド

前記のように映像を無線伝送するためには無線周波数帯域を広く占有する必要がある関係から、マイクロ波帯が使われます。アマチュア無線のバンドは幅広くありますが、映像伝送が許可になる周波数帯は下記のようです。ここで、映像を伝送する電波型式はF3F(映像のみ)、F8W(映像+音声)です。

(総務省告示の周波数帯)   ( )内はF3F, F8W等の映像伝送が許可になる周波数

   1,260MHzから1,300MHzまで(1,273MHzから1,290MHzまで)
    2,400MHzから2,450MHzまで(2,407MHzから2,424MHzまで)
    5,650MHzから5,850MHzまで(5,690MHzから5,725MHzまで)
    10GHzから10.25GHzまで(10.025GHzから10.08GHzまで)

    は前出業務用の1281.5MHzも含まれています。海外ネットで入手できる無線機にも1280MHzが使える製品があります。

    は操縦用プロポと混信する可能性が高いので、避けます

    5.8GHzはネットで各種の無線機の送受信機セットが1万円程度で入手できます。

    10GHz帯は特殊なので、避けます。

ということで、ネット販売では一番ポピュラーな5.8GHz帯の無線機でアマチュア局を開設することにしました。

6.なぜ、5.8GHzなのか?

5.8GHzという周波数バンドはWi-Fi帯でもそれほど混んでいなく、また減衰が激しいため、見通し以外では遠くまで飛ばないことが、ほかの用途の5GHz帯の無線設備に妨害を与えないという点で、よいと考えます。5GHz帯では無線LAN(5150-5725MHz)のほかにもATCシステムやDSRCのシステムの周波数帯(5770-5880MHz)があります。アマチュア無線バンド(5,650MHzから5,850MHz)は無線LANの周波数帯と同じですが、そもそもRC-FPVは市街地や屋内でするものではないので、大丈夫と考えますが、留意は必要です。そもそも、2.4GHzや5GHzというマイクロ波帯の周波数利用はISM帯(工業・科学・医学の応用)でもあり、様々な電波利用が許可になっています。すなわち、近距離通信波(遠くに飛ばない)なので、みんなで譲り合って、うまく使ってくださいね・・・というバンドです。アマチュア無線のこのバンドは5,650MHzから5,850MHzですから、5.8GHz帯ではないですね。海外ではそう呼んでいるので、本項でも5.8GHz無線機として話を進めます。

7.送信出力について

アマチュア無線の5.6GHz帯では空中線出力が2Wまで許可になりますが、前出のように、「譲り合って使うバンド」でありますから、不必要な大出力は避けるべきです。FPVは海外では数十km先まで飛行機を飛ばしたり、成層圏まで上げたりと、とんでもないレポートも見かけることがありますが、砂漠のど真ん中でやるのは構わないでしょうが、日本でFPV-RCを楽しむには安全を確保した自己ルールが必要と思います。

FPVでは飛行する機体が視野から外れても操縦することが可能ではありますが、飛行機が飛行するルートを把握して、ルート上の安全を見極めておくことが必須です。2.4GHzのRCプロポのアップリンクの制御範囲は送信機付属のWhip Antennaと機体に積んだワイアアンテナの組み合わせでは、せいぜい500mから800mです。機体を操縦する無線リンクが切れたら、FPVで視界が見えていたとしても、操縦不能になり、機体は墜落します。したがって、FPVの無線リンクの到達範囲は2.4GHzのRC操縦リンクの範囲以内で十分です。
この関係から、TESTをしてみた結果では、5.8GHz無線機の映像ダウンリンクでは200mWから500mWぐらいで十分という結果が出ました。海外サイトでも販売されているRC用に開発された5.8GHzの無線機の出力がおおむね200mWから600mW程度なのはこういった実験に基づいたものではないかと推察されます。

ここで、BOSCAM社の5.8GHzFPV無線機の仕様を見てみましょう。

Features:
• 32 channels: Cover A, B, E bands and F bands
• Two switching buttons for the band and channel
• Two digits display for  the band and channel
• Power off memory for last channel and band
• dual Independent video and audio signal outputs

Specs:
Video format supported: NTSC/PAL
Antenna connection: RP-SMA, jack (module side, both TX and RX)

Transmitter TX TS832 specs:
Power input: 7.4-16V (3S Lipoly suggested)
Transmitting power: 600mW
Antenna gain: 2dbm
Working current: 220mA at 12V
Video bandwidth: 8Mhz
Audio bandwidth : 6.5Mhz
Weight: 21g
Dimension: 54x 32x 10mm(excluding antenna)

Receiver RX RC832 specs:
Power input: 12V
Working current: 200mA max
Antenna impedance: 50Ω
Antenna gain: 2db
Rx sensitivity -90dBm
Video impedance: 75Ω
Video format: NTSC/PAL auto
Dimension: 80x 65 x15mm
Weight: 85g

Frequency range:
FR1 5865,5845,5825,5805,5785,5765,5745,5725
FR2 5733,5752,5771,5790,5809,5828,5847,5866
FR3 5705,5685,5665,5645,5885,5905,5925,5945
FR4 5740,5760,5780,5800,5820,5840,5860,5880

ここで、最後の項のFrequency Rangeでみると、前出③の5,690MHzから5,725MHzに合致する周波数では、5705と5725がありますが、5725は帯域がはみ出してしまうのでNGです。5705MHzは5,690MHzから5,725MHzの幅に対して、ビデオ帯域が9MHzでも十分な余裕があります。5,690MHzから5,725MHzの周波数では幅が35MHzあるので、9MHzのビデオ帯域幅では理論上では3CH同時に使える計算になりますが、市販されている無線機のA,BE,Fバンドでは設定されていないのです。

しかしながら、こういった無線機は周波数シンセサイザーという回路により自在に任意の周波数を合成できるので、無線機の周波数書き込み回路のソフトをいじることにより、5705以外でかつ5,690MHzから5,725MHzに納まる周波数が使える無線機に改造することは技術には可能ではないかと考えます。ここで、「改造」と言う言葉がでてきましたが、技適の無線機を改造することは違法行為ですが、ネット販売の無線機はもともと許可を受けた機器ではないので、アマチュア無線家の「技術」によって、好きなように改造し、目的に合致した無線機に作り直し、総務省に申請して認可を受ければ、立派な免許を受けた無線機になるのです。
むしろ、若干なりとも「改造」を加えないと、許可が出る無線機になりませんので、少し無線の知識が必要です。

8.アナログATV(FM-TV)の方式

昔のアナログTV の映像変調方式は振幅変調が使われていましたが、BS放送や、ATV、ネットで買えるFPV無線機はFM(周波数変調)方式で、FM放送と同じです。FM-TV方式は回路が簡単な上、送信機の出力回路の電力効率が良いので、ATVにはもってこいの方式と言えます。FPVのカメラから出力される信号はNTSCのビデオ信号で、これは従来と同じ振幅変調信号ですが、これを周波数変調して振幅変化がない波形にして出力したのがATV(FM-TV)の信号です。FM-TV(電波型式F3F)では振幅は一定なので、カメラを繋いで変調信号を入力してもしなくても、送信機から出てくる出力は一定です。つまり、400mWと謳っている送信機の出力を電力計で測定すると、カメラ信号の有無に無関係に400mW でるのです。

写真はBOSCAM社の600mWとうたっている5.8GHz送信機の出力を電力計で測定したものです。変調信号(カメラの信号)の有無にかかわらず、出力は一定です。


出力は434mWでした。600mWと言っていますが、実力はそんなものなのです。まあ、よいほうです。製品によってはカタログ値の半分も出ない場合もあります。
FM-TVの周波数スペクトラム(無変調)は写真のようです。

無変調なので、5705MHzのキャリアだけが見えています。カメラをつないでNTSC映像の変調を加えると、スペクトラムが広がります。この広がりが「占有周波数帯域幅」であり、要求仕様があります。F3FでNTSC信号を送信するので、写真のようにキャリア周波数(中心周波数5705MHz)に対して+/-4.5MHzの広がりを見せるので、占有帯域幅は9MHzとします。

このスペクトラムのようにし単一キャリアのFMによる映像のみを送信する方式の電波型式がF3Fです。一方、海外ネットで買えるFPV の送信機はオーディオ信号を重畳させて送信できるものがほとんどです。この場合の電波型式はF8Wとなります。写真はF8Wの波形のスペクトラムで、中心キャリア周波数から離れたところに音声FM 変調のためのサブキャリアが見えています。

F8Wもアマチュア無線で許可にはなりますが、帯域幅をさらに占有する(約15MHz)のと、FPVでは音声を送信して通信するわけではないので、あまりおすすめではありません。しかしながら、大概の送信機はF8Wの変調波になっているため、改造をしないで申請するためにはF8Wを使わざるを得ません。
このF8Wのサブキャリアには他に使い道があります。
このサブキャリアに飛行機のテレメータデータを載せて地上に伝送しようとするものです。
例えば機体内部の各種のリアルタイムデータや、飛行中の機体のGPSによる緯度経度をデータ転送して、このデータにより、地上の受信設備のビームアンテナの追尾をするといったことが可能になります。 この場合はサブキャリアにデジタルデータを重畳させるので、電波型式はF9Wになります。

10.アマチュア無線でATV局免許を取得する

Step.1 アマチュア無線資格を取得する

アマチュア無線資格といっても一応国家資格なので、国家試験を受けて取得します。アマチュア無線の試験は全国で実施されており、小学生でも合格する試験です。マイクロ波帯でのATV局を開設するためには、4級アマチュア無線技士以上の資格が必要になります。

まずは、資格を取得しましょう。

http://www.jarl.or.jp/Japanese/6_Hajimeyo/6-1-8.htm

講習によって取得する方法もありますが、時間とお金がもったいないですから、全国で行われている試験を受けるのがよいと思います。
試験は4択問題ですが、一応本とか購入して少しは勉強も必要です。

Step.2 FPV無線機を入手する

前述のように海外ネット販売で容易に買える安価な5.8GHz無線機を使って、5.6GHz帯のアマチュア無線局を開設した例は以前はありませんでした。その理由は、中国製の無線機の性能や品質が悪いからではなく、総務省へ申請するためのその無線機の「素性」が不明だからです。ネットで買う無線機にはメーカー名も記載されていない場合さえもあり、説明書もない場合がほとんどで、たしかにうさんくさいのは事実です。どういう仕様なのかも不明であり、ましてやマイクロウエーブの測定器で性能を測定したわけでもない、得体の知れない無線機をアマチュア無線とはいえ、役所が許可してくれるわけがありません。その製品の詳細な資料を入手することは極めて困難ですから、これはもう分解して中身の回路構成を割り出すしか方法がありません。

回路構成と使用半導体等が判明すれば、アマチュア無線局申請のための工事設計書が作成できるのです。筆者はネット市場から200mWから600mW出力と称する、5705MHzが発射できる送信機を何種類か購入して内部を調査しました。

この手の送信機の回路構成はどこのメーカーでもほぼ同じで、概ね下記のようになっています。

1)電源部(12VDCから5Vや3.3Vを作る)

2)シンセサイザー部(周波数の合成)

3)変調部(FM-TVの信号を作る)

4)高周波電力増幅部(出力を所定の電力まで増幅する)

ここで重要なのは3)と4)です。

筆者が入手したすべての送信機の3)変調部にはRichWave社のRF-LSIが使われており、これのデータシートはインタネットで入手できました。また、4)の電力増幅部はそのその送信機の出力によって、各種のMMICが使われていましたが、その型名がわかればインタネットでデータシートを探し出すことができます。とりあえず、TS-832は出力は看板に偽りありだが、筆者が4個購入して出力を測定した限りでは、400-500mWであり、波形のスペクトラムがきれいであって、軽量でかつ安価であることと、電力増幅部にはまともなMMICが使われていることがいいと思います。

STEP3. アマチュア無線局を申請する

さて、アマチュア無線の試験に合格して、無線従事者免許証が届いたら、いよいよ無線局の開局です。アマチュア無線局の開局を申請して、無線局免許証と無線局免許証票が発行されれば、ようやく運用の開始です。アマチュア無線局の開局申請にはいろいろなアプローチがあります。Webで探ると、七面倒くさそうな手続きと解説がたくさん出てきますが、本項ではすでに解説したように、海外通販で入手できる中華製の格安無線機を使ってFPVのための無線局を開局しようとするものですから・・・・・下記のようなHPは読む必要がありません。
http://www.soumu.go.jp/soutsu/shikoku/shinsei/amateur.html

国産のアマチュア無線機器もきちんと技適を受けていますから、開局はスムーズに行きますが、何しろ得体のしれない中華製5.8GHzTransmitterで局免許を受けるのですから、総務省にいきなりアタックしても無理です。そこで、助けてくれるのがTSS殿です。

http://www.tsscom.co.jp/


TSS保証事業部は自作のアマチュア無線機器や改造機などの無線機器が適法なのかをチェックしてお墨付きを発行し、総務省との間に入って、貴方の無線局開局のお手伝いをしてくれます。手伝いというのは語弊がありますし、代行でもないのです。あくまで貴方が提出した無線局開設申請書を吟味して、「保証」したうえで、総務省へ提出してくれるのです。TSSができた経緯や役割等に興味がある方は調べてみてください。

1)申請書を入手する

TSSのHPや総務省のHPではweb申請というのがあって、一見便利そうですが、本項での目的の場合はやめたほうがよいです。申請用紙を購入して、「紙」ベースで申請するのがスムーズに手続きが進みます。開局手続きに必要な個人・社団用開局用紙はJARL、または全国のハムショップで定価864円(税込)で販売していますがネットでも本屋さんでも買えます。


申請書を手にしてみると、案外に内容が薄くてびっくりさせられます。基本的には3枚ほど書き込んで提出すればオシマイ・・・・といった印象です。
実際、素性がわかった無線機を申請する場合にはそうなのです。ほんの5分ほどで申請書作成なんか終わってしまいます。しかしながら、5.8GHzの中華製無線機の申請はそうは簡単には行きません。ここで、今回の主旨を改めて確認・・・
「5.8GHzの中華製の送信機でアマチュア無線局を開設する

2)購入した申請用紙の封筒にはいろいろ入っていますが、上記の主旨であれば、提出必要な書類は下記のものだけです


●TSS 殿宛のアマチュア局の無線設備の保証願書
●無線局事項書および工事設計書

 素性がわかった無線機なら、もうこれだけの書類でOKなのですが、申請する送信機の素性を明確にする必要がありますから、TSS がジャッジできる書類を添付してあげなければなりません。

3)
まず、その送信機がどんな構成をしているかを示す系統図(ブロックダイアグラム)が必要です

おもな回路構成を示すもので、特に主要緒元が決定される回路や使用デバイスの型名をブロックダイアグラムに記入しておく必要があります。
出力電力を決定する送信機の最終段のデバイスとそれに印加される電圧の記入も必要です。

TS-832については Ver.1.5以降は終段デバイスのMMICが上記のHMC406MからRTC6659Eに変更されていて、出力も600mWがきっちり出るようになりました。 従って購入されたTS-832の裏面に記載されているVer.番号を確認して、Ver1.5以降であれば終段デバイスはRTC6659Eで申請します。

5)必要な費用
TSSへの保証料4800円(銀行振り込み)
総務省への申請料4300円(収入印紙)
が必要です。5年分を一括で払う・・とします。免許が交付されてからコンビニで払い込む請求書が送られてきます(1500円)。これらの書類をまとめてTSSに郵送すれば完了です。
総務省へはなんら書類の送付はいりません。

すでにアマチュア無線局を開局されていてコールサインが付与されている場合は、変更申請になります。
この場合はTSSへの保証料4000円のみで、総務省への申請料は不要です。


昔開局していてすでに無線局免状が失効してしまっている場合には、新規に開局申請の必要があります。
エリアによっては過去使用していたコールサインを復活させて申請できる場合があります。


6)TSSからメールで問い合わせや、追加資料の要求がある場合があります。
7)およそ1か月
で総合通信局から無線局コールサインが付与された無線局免許状が届きます。
無線従事者免許は終身免許ですが、無線局免許の期間は5年です




届いた免許状には  4SA 5750MHz 1W と記載されています。
4SAは代表の電波型式、5750MHzは5.6GHz帯のアマチュア無線バンド(5650-5850)の中央周波数です。
実際には工事設計書で申請した周波数、電波型式、出力電力が使用できる仕様ですのでお間違いなく。

受理された工事設計書は総合通信局のデータベースに保管されています。

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11.FPVを楽しむ

冒頭に書いたように、模型飛行機にマイクロウエーブ送信機を積んでTVカメラの映像を地上の操縦者に伝送し、飛行機からの映像をモニタで見ながら飛行機を操縦するのがFPVですが、FPVを楽しむためには様々な条件もあり、筆者が実験して経験した範囲から提案と注意事項がありますので、熟読してください。

1)飛行機をFPV操縦で飛行させる範囲に人家がないことを確認すること
2)飛行範囲は2.4GHzプロポのカバー範囲内であること(概ね半径600m以内)
3)飛行前後には無線局のコールサインボードを撮影送信する、またはOSD(On the Screen Display)にコールサインを重畳すること
4)飛行させる飛行機は自律飛行が可能なオートパイロットを搭載していること
(オートパイロットFC:FlightControllerにより操縦用の送信機から手を放しても基本的に空中停止、あるいは直線飛行が可能であること)
5)オートパイロットではRTH(Return to Home)機能、Fail Safe-RTH機能があること
(飛行機の位置をロストあるいは、2.4Gリンク切れの場合、自動で帰還できること)
6)FPV 映像にはOSDを備えること(メイン電源の電圧、飛行時間、Homeからの距離、RSSI、Homeへの方角、高度などは必須)

以上の飛行安全確認と機体の装備がなくてFPV操縦をすると危険ですから、十分に準備をすることが肝要です。特に5)のRTH機能は重要です。





筆者が2014年5月現在運用しているFPV機を紹介します。

空撮Quad Copter 「鉄人500号」
機体:TAROT IronMan 650 をサイズダウンしてスパン500mm
FC: NAZA-M+GPS
OSD: MultiWii SE2+UblokGPS+MinimOSD
Motor:E-Max MT2213 -935KVx4
ESC: HobbyWings18Ax4
Prop: 10 x4.5
BATT: 3S-2200mAhx2
FPVカメラ:A0118N(170度)
空撮カメラ:GoPro Hero3BE+FeiyuTech G3 2axisGimbal
全備飛行重量:1800g
飛行時間:7分








http://youtu.be/nJju7C1k_2o




デモ用UFO Quad Copter「UFO2」
機体:自作(\100ショップの材料) スパン450㎜
FC: NAZA-M+GPS
OSD: Breeze OSD+GPS
Motor: Sunny Sky X2212II 980KV x4
ESC: HK Blue Series 12A x4
Prop: 9x4
Batt: 3S-2200mAh
FPV カメラ: A0118N
空撮カメラ: Mobius WideB-Lens
全備飛行重量: 1100g
飛行時間:5分

http://youtu.be/MC9Gut-48e0




BIXLER2 
機体:HK Bixler2 スパン1500mm
FC: ArkBird 
OSD: ArkBird OSD , GPS
Motor:1300KV 
ESC: 20A
Prop:8インチ
Batt: 3S-2200mAh または1300mAh
FPVカメラ: A0118N
空撮カメラ: Mobius WideB-Lens
全備飛行重量: 750g
飛行時間:20分







http://youtu.be/sM7-VygKDw4


Cessna195
  機体: 1/8Scale Cessna195 Cocacola仕様 バルサ製スパン1350㎜
FC: ArkBird 
OSD: ArkBird OSD , GPS
Motor:4842-800KV 
ESC: 40A
Prop: 12x6E
Batt: 3S-2200mAh 
FPVカメラ、空撮カメラ: Mobius WideB-Lens
全備飛行重量: 1800g
飛行時間:10分








http://youtu.be/gJt9_d-F4OQ






12.5.7GHz帯アマチュア無線バンドでFPVができるATVは何CHとれるか?


ラジコン飛行機は基本遊びの世界です。
遊びというものはなんであれ大勢でやると楽しいのは当たり前です。
技術的な論議もみんなでやれば楽しいのです。
FPVも何人か集まって楽しもうとしたときに、筆者が申請した5705MHz一波だけでは順番にやるしか手段がありません。
1.2GHz帯でも1波しか取れません。2.4GHzも同様ですが、操縦用プロポと干渉するのでNG です。
せっかく2.4GHz帯の周波数拡散方式のプロポが出現して、昔のVHF帯のようにバンドを気にしなくてよくなったのですが、FPVはCHが一つではさみしい限りです。
電波法無線局運用規則には表があって、運用形態が決められています。
アマチュア業務の5.7GHz帯のところだけを抜き出してみました。
下記の表と注意書きを見てみましょう。

この表で見る限り、確かに青字の注釈16のところはF3FのATVが使用できる周波数である。でもよく見ると、赤字の周波数には注がなく、全ての周波数であることからすれば、ATVが使えると読み取れる。

すなわちATVが使えるアマチュア無線の周波数は下記であるように読み取れる。

5,690MHzから5,725MHzまで・・・(35MHz)

5,730MHzから5,755MHzまで・・・(25MHz)

5,770MHzから5,810MHzまで・・・(40MHz)


全部で100MHzもあり、10MHzで並べたら10CHも使えるという計算になる。

ここで、もう一度BOSCAMの無線機の32CHの周波数を見てみよう。

FR1 5865,5845,5825,5805,5785,5765,5745,5725
FR2 5733,5752,5771,5790,5809,5828,5847,5866
FR3 5705,5685,5665,5645,5885,5905,5925,5945
FR4 5740,5760,5780,5800,5820,5840,5860,5880


つまり、5705、5740、5745、5780、5785、5790、5800 の7波が使えることがわかる。



13. 内部の解析ができている送信機(系統図のあるVTX)

    他にも解析が済んでいるVTX もありますのでメールにてお問い合わせください。
 
   
 特殊なVTXの解析の相談に乗ります。 ytozawa1037@gmail.com
    
ドローンの機種名が分かればVTXの型名系統図は大体判明します。
      
 解析済みのVTXの系統図は 1機種 \1,000で提供しますのでメールにてお問い合わせください。
   また、申請書の代書(TSS保証認定申請、総合通信局への申請書、工事設計書、系統図)はVTX
   3種類10台まで\8,000で請け負いますのでメールでお問い合わせください。
    
戸澤洋二技術士事務所のアマチュア無線申請書類作成支援要領
解析済の系統図 リスト 2023年5月現在


             

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14.電波型式と周波数CHについて

5.6GHz帯のアマチュア無線バンドでFPVができる電波型式はF3F(FM-TVの映像のみ)とF8W(FM-TV映像+音声)ですので、両方の電波型式を申請することは可能ですが、ひとつの送信機でF3FとF8Wを切り替えて使う改造は大変なので、実際にはどちらかしか使えません。

F3Fは帯域を多く使わないのと、前例のある業務用の1281.5MHzがF3Fだったため、当初筆者はF3Fでないと許可にならないと思って いたため、F3Fで申請した経緯がありました。
大概の中華製のTX は音声サブキャリアのあるF8Wであるため、無理矢理部品を外してF3F で申請したのですが、最近では総務省の理解も進んだので、F8Wですんなり許可になります。
本来、FPV で映像のみを伝送するなら、帯域を多く使わないF3Fのほうがベターなのは当然ですが、送信機の改造が苦手と思われる方は申請はF8Wのみでやってください。工事設計書の電波型式の欄にはF8Wのみを記載します。
この場合、送信機の内部回路の改造は一切ありませんが、周波数の固定(アマチュア無線バンド内の1波に固定)のためのCHボタンSWの取り外し、またはアルミカバー等の「改造」は必要なので、工事設計書ではやはり、「TS-832 改造」です。

12項で示したように、TS-832 などの32CH送信機では7波(下記の表の赤文字)が5.6GHz(5750MHz)アマチュアバンド内で使用が可能ですが、実際には帯域があることと、受信機の選択度が良くないために、仲間が集まっての同時運用は下記の周波数CH表のうち、

FR1 5865,5845,5825,5805,5785,5765,5745,5725
FR2 5733,5752,5771,5790,5809,5828,5847,5866
FR3 5705,5685,5665,5645,5885,5905,5925,5945
FR4 5740,5760,5780,5800,5820,5840,5860,5880

5740と5745、5780と5785、5780と5790と5800、といった周波数の組み合わせによる同時運用では混信しますので留意が必要です。クラブや仲間内で同時運用で楽しむ場合は、考慮が必要です。

欧米のRaceでもハムバンドによるRace Band Channelが出てきている。
Frequencies: 5658, 5695, 5732, 5769, 5806, 5843, 5880, 5917MHz (RaceBand)
この周波数CHを使って国際レースをやるとなったら、日本勢もこの周波数CHを使ってゆかざるを得ない。

All RaceBand channels legal using a Ham license within the USARaceBand Channel
s 1-6 legal using a Ham license within the EU 

日本の5.6GHzのハムバンド(バンドプランを無視したオールバンド)が5650-5850ですから、上記の周波数では,5658, 5695, 5732,5769, 5806, 5843 が使える。F8Wなどの4SAの電波型式では占有帯域幅が17MHz以内であり、5658,5843のバンドエッジも何とか使えそうだが、VTXの吟味も必要になる。最近出回っている600mWの高効率VTXは無理にMMIC-PAを飽和させて使っているので、サイドバンドの拡散が大きいようだ。レースなど複数同時運用の場合は電波の質の良い小出力のVTXが好ましいと考える。米国のレースでは250mWが主流のようだ。


なお、2015年10月9日にアマチュア無線等を監督する総務省本省総合通信基盤局電波部と意見交換し、近年のFPVが全世界的にハムライセンスによる5.6GHzバンドが使用されていること、日本でも急激にDroneRaceが流行してきて、FPVのためにアマチュア無線従事者免許を取得して、開局するするひとが急増中であることをお知らせすると共に、今後さらにFPVのATVアマチュア無線利用について支援を戴くよう要請し、十分なご理解を戴いたことをここに記します。

アマチュア無線を使った5.6GHz帯のFPV運用はアマチュア無線従事者資格とアマチュア無線局開局が必要ですが小さなインドア用のマイクロドローンのFPV運用については無資格者でも資格者が立会いの下では体験運用ができるようになりました。


https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/drone/experience/

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